M75q-1 の後継機種を考える

Lenovo ThinkCentre M75q-1 Tiny の価格コム限定構成で SSD を 128 GB にした格安構成を選択できなくなっている。M75q-1 最強伝説の終焉である。

ThinkPad E495 でおおむね満足しているとはいえ,人の欲は限りないものである。E495 はシステムボードの耐久性に不安があり,特に iGPU の高負荷に耐える熱設計にはなっていない。その点 ThinkCentre であればデスクトップのメインストリームであって,ラップトップの X/T に相当する由緒正しいモデルであるし,ファン交換も簡単である。そしてなにより,E495 より 1.5 倍ほど性能が高い。

そこで,M75q-1 の後継機種について考えてみたい。

APU

APU は先日発表されたばかりの Ryzen 5 4600G ベースであろう。前の 2 世代同様,組み込み向けに TDP 設定を制限したモデルとして Ryzen 5 4600GE が供給される。

システムボード仕様

NVMe が PCIe 4.0 x4 に対応するかも? という程度で,特にトレンドに変化はない。11ax 対応のカードを選択可能にはなるかもしれない。

構成(価格)

しかし,問題は構成=価格面である。Lenovo ないし価格コムは,構成を削った格安モデルを制限する方針を取り始めている。グローバルで PC 需要が高まりつつあること,この傾向は当面続きそうであることを考えれば,これも当然のことである。

M75q-1 の後継機種がまだない状態で構成が制限されたことも,実質的な値上げの可能性を補強するものである。

一方で,アーキテクチャに抜本的な変更がないことから,APU のエンジニアリングサンプル提供は早かったはずである。設計が完了し,場合によってはパーツ調達も既に開始していて,単純に M75q-1 の生産調整にあわせて需要を抑えようとしている可能性もある。

とはいえ,M75q-1 も M715q よりは値段が上がっていた。この価格はおそらく AMD の戦略的な仕切値での供給もあってのものだろうから,Ryzen の評価が確立するにつれて値段が上がっていくのも仕方のないことである。全体的にみて,M715q や M75q-1 のような安売りは望みにくいし,仮に安売りされても M75q-1 よりそれなりの値上げがあると考えるのが自然である。

ただ,4000 シリーズ APU は Vega iGPU のため,そこまで飛躍的な変化はない。本命は Navi へ移行してからである。まだ少し先になるが,そのころには供給も追いついて市場環境は変化しているだろうし,また格安 Tiny が出てくることになるだろう。つまりまあ,今は時期が悪い。

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