眠くて仕方がないので自販機でペットボトルコーヒーを買った。キリンの Fire Oneday Black である。
こういうときに自販機で見かけるのは,たいていサントリーの Craft Boss である。無糖コーヒーに香料を入れるという“タブー”を犯してロブスタ臭をごまかすことを選んだ画期的なもので,あっさりとしていて,わざとらしいほど香ばしい風味が特徴である。コーヒーとしては邪道かもしれないが,ペットボトル飲料として飲みやすいのは確かである。これの発売から間もなくして登場したのが UCC 上島珈琲による Cold Brew で,無香料で Craft Boss に近い味を目指している。個人的には Craft Boss より好きだが,見かけることは比較的少ない。さらにコカ・コーラの Georgia・伊藤園の Tully’s でもコンセプトに Craft Boss の影響を受けたと思われるものがある。
話を戻そう。キリン Fire Oneday Black も当世流行の香料入り無糖コーヒーであり,「常温でも香り高い」ことを売りとしている。コーヒーではなく香料の香りなんだから当然ではあるが……
ところで注目すべきはその量である。見本に容量が書いていなかったので 500ml より少ないと予想していたのだが,かなり多めの 600ml だったのである! 値段も \130 と,同じ自販機の Craft Boss \140 円より多少安い。味も Craft Boss とだいたい同じで,ごく一般的な香料入りコーヒーの味である。
ペットボトルコーヒーに味など求めてもしかたない。それよりも,量が多くてカフェインがバリバリに効いていることが重要である。消耗して判断力が衰えても,速やかにブーストをかけることができる(余談であるが,相当量のカフェイン錠剤を飲んでも,効果が出るのに時間がかかるばかりか,動悸などの副作用が出やすい傾向にある。液体であることや味・香りの刺激にも意味があるようである)。
今後は Fire Oneday Black を見かけたらこっちを選ぶようにしようと思う。
ところで,ネスレ最安のインスタントコーヒーで 175g \400 未満という驚愕のコスパを誇る「Classic Blend」も,Craft Boss 系のわざとらしい香ばしさがある。パッケージには書いていないようだが香料が入っているのだろうか? それとも実は香料よりもプロセスが寄与する部分が大きいのだろうか。コーヒーというよりコーヒー風味飲料という感じの味であるが,意外と悪くなく,毎日飲んでも飽きない。これもカフェイン摂取にはもってこいである。